ねぎ子のブログ

congzi's blog

ぶらり週末 ~公安博物館&M50~

この週末は、上海市内で気になってた場所をまたふらりふらり。

 

◆公安博物館

語研友達から聞いて気になっていた公安博物館。警察官スタイルのテディベアを購入できるというのがポイント。先週はなんとドアの前まで来たところで閉館と帰されたので、リベンジでやってきました。

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通り沿いに突如現れるこのビルが博物館。1階から4階までが博物館になっていて、2階から順番に上に上がっていくようになっています。(我は間違えて4階からおりてきたけど。)周りには特にに何にもない場所なんだけど、ここを目標に来る人たちは意外にいて、子供連れがどんどん吸い込まれていきます。

まず入ると1階には公安に関係する乗り物たち。

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2階にあがると始めて公安博物館の表示がちゃんと出てきます。

f:id:s_iidada:20140222151655j:plain子どもがパタパタかけまわったりしているものの、さすがに外とは違う緊張感が漂います。

公安局の歴史や、過去の具体的な事件紹介とか、日本じゃありえないという展示もあって衝撃でした(なので写真は撮らなかった)。心臓の弱い人にはお勧めできない部分もあります。

当たり障りのないところでいうと、交通関係でしょうか。

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もう少しどうにかできなかったのかしら、という「子供に注意」の子供の絵がツボ。

あと、世界各国のピストルコレクションや、各国の警察紋章の展示もありましたね。

公安局の中に消防も含まれるらしく、4階は消防の歴史や乗り物の展示もありました。

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きちんと展示されていて、清潔感もありました。

総合的な評価でいうと、マニア的な人はとても楽しめて、普通の人は「へぇ~、え、こんなのも展示しちゃうの」と少し驚き、時間のない人は無理して行く必要のない博物館のような気がしました。もちろん行ったら行ったで、公安の成り立ちとかわかって興味深いとは思うけど。最後に、足の裏に「中国警察」と刺繍の入ったテディベア(50元)、購入しました。

 

◆莫干山路50号

こちらは兄から聞いたモダンアートギャラリー。M50って呼ばれる場所で、現代アーティストが仕事場を構えている ことで最近は国内外からファンが集まっているそう。天気の良い日曜に、ぷらぷらと出かけてみました。

地下鉄の駅は遠そうだったので、バスで向かうことに。バスを降りると、普段生活し慣れているエリアと違った雰囲気の上海を見ることができました。

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上海も広いからね、オフィス街が全て、なんてこと、ないんです。ただあまりにローカルで、明るいうちじゃないと歩くのはちょっと勇気がいるかもね。

バス停からてくてく10分ほど歩くと、莫干山路という通りに出ることができて、到着。

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あとから分かったけど我は正面入り口ではなく、少し横から入ったようです。ここのエリアの中には、いくつも倉庫やマンションみたいな建物があって、各スペースや部屋がギャラリーになっています。

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早速、よくガイドブックにでている落書き(アートか)を発見。この前で、ギターを弾きながら写真撮影している人たちもいました。そしてこの絵の横にはM50を代表するオブジェが。

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交通標識とセットでアートなのだろうか。。。さらに振り返ると建物の壁にもおもしろアート。

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こうゆう壁画は、ちょこちょこ塗り替えられるらしい。ギャラリーも変わるし、そうゆう点では、何回きても楽しめるかも。

我みたいにアートギャラリーに慣れていない人間は、自由に入れるとわかっていても、他に人がいないとなかなか部屋の中に踏み込む勇気がわきません。というわけで、最初はかなり遠慮がちに、建物の1階部分を中心に見て回りました。

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基本的に、作品の撮影はできないから、外観の写真ばかりだけど、この建物の構造みるだけでも、若干アーティスティックな雰囲気が伝わるかしら。日本人のギャラリースペースもあって、富士山の絵もおいてありました。

 

ここH-Spaceという倉庫は、「時間がなければまずここを見よう」と紹介されてたので行ってみたが、どーんと広い白いスペースの中に、自転車がぽつんとおいてあったり、不思議な空間でした。

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写真禁止の表示がなかったので、中も少し撮影したよ。自転車の次のスペースにあった、車のドア(?)を塗ったものをつるした部屋。

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まぁ新鮮だったけど、個人的には絵画のほうが見てわかる分、面白いと思いました。

このへんからエンジンがかかり始め、だんだん図々しく色々みて回れるように。14時くらいになって、人も増えてきましたし。外人さんが多くきていました。 

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↑こんな通路の両脇には、小さな部屋がいくつもあって、絵画や陶器が飾ってあります。毛沢東の絵なんかもありましたね。現代アートなので、「あ、上手だなぁ」という絵ではなく、「こりゃなんじゃ」と思う絵が多かった。

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アインシュタインもいましたよ。

  

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そして、ふとしたスペースにあったのは、昔工場だったときの名残?の設備。つるさげてあった子供服もアートなのかしら?なんだか何でもアートに思えてきます。

 

ところどころカフェもあって、それなりに賑わっていました。

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中国の若者もたくさん来ていました。カメラを首から下げている人たちが多かったですね。我は最後はちょっと省エネして、真面目にみてまわらなかったけど、アートに興味がある人は長時間楽しめそうです。

 

次は、虹橋にある芸術区にも行ってみようかしら。楽しい週末でした。

ぶらり週末 ~上海海洋水族館~

久しぶりの上海市内観光記録。今回は、前々から気になっていた上海海洋水族館へ出かけました。あいにくの雨でしたが、屋内施設だからか水族館は混んでましたね。

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浦東の東方明珠塔などの近くにあります。チケットは大人160元=3000円弱。けっこういいお値段ですな。水族館は3階建ての建物で、売りは何と言っても世界最長海底トンネル。155mあるということで、期待できます。

 

まずエスカレーターでびゅーんと3階へ。変な特設展(魚関係ない)を見させられて、嫌な予感がしましたが、常設展のほうにいくと、なかなか珍しい生物が出迎えてくれました。

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なんじゃこりゃ…とても病的な感じのするスッポンです。ソフトシェルタートル。ふにゃふにゃしてる~~~。キモチワルイっ!

岩の上で動かないので、中国人たちは皆「假的(ニセモノだ)」と言って通り過ぎていくのだが、いや、ふつうニセモノなんて展示しないでしょ!?いや、ありうるのか…注意深く見ないとだまされるかもしれない。展示が本物かを疑う、水族館の新しい楽しみ方です。ともあれ、このスッポンは動いてたし瞬きしてたし、間違いなく本物でした。

 

あと中国っぽさが表れているのは…何となく、水槽の中が込み合っている。。。

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ちょっと密度が高い水槽が多かった気がするなぁ。

 

この水族館は、面白い構造になってて、展示が大陸毎のゾーンに分かれています。はじまりは、南米はアマゾンから。魚以外の展示も面白かった。

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これはオルメカ文明の顔ですね。

 

さて、オーストラリアやアフリカ大陸などなどの展示もくぐりぬけ、3階から地下?へ下っていきます。ここには海底トンネルが広がっているはず!

f:id:s_iidada:20140216152423j:plainわくわくするね。ちなみにこのエスカレータの下り付近にワニがいたんだけど、じーっくり見たところ、これはニセモノのようだった。

トンネルは、サメやエイやいろんなお魚が泳いでて面白かったけど、長い長い。

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動く歩道があるんだけど、その上は人がぎっしり。動きが遅くてイライラしてしまい、我は結局側道を普通に歩きました。確かに見ごたえはありましたね!しかし人が多いのとトンネルの天井が低いので少し空気がこもってて、あまり鑑賞に集中できませんでした。最後は飽きてしまいすたこらさっさと通過。ちゃんと、水槽内のモグモグタイムとか確認しとくと、面白いのかも。

 

トンネルを抜けると、ペンギンがいた。のだが、大人気すぎてよく見えなかった。

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ちょうど出し物の時間みたいでラッキーと思ったが、あまり面白くないイベントでした。ペンギンが何かするのかと思いきや、飼育員のお姉さんがひたすらアテレコするのみ。ペンギンのセリフをいろいろしゃべってるけど、ペンギンは自由に泳いだり歩き回ったりしてるだけ。まぁ、芸なんかやらないよね~。ここに人がたまってる間に、先に進むことにしました。

 

このへんの水槽コーナーはめずらしい魚がいてわりと面白かったな!ここでも中国的光景に遭遇。

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おおい、ここは君たちのお家じゃないよ~。しかも母親はこの状態でバシバシ写真を撮り続けていた。。。

このエリアで一番気に入ったのが、このニョロニョロ!パッと見可愛いけど、よく見るとキモチワルイ。体が長くて、半分くらいは砂に埋まっているのです。ザリガニみたいなのが一緒に水槽に入ってたけど、チョッキンされないか心配でした。

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こうして2時間ちょい楽しんで見学終了~。さっさと回れば1時間ちょいでまわれちゃうだろうし、じっくり見れば、半日楽しめそうです。最後にお決まりのおみやげやさんでは、水族館に関係ないものたくさん売ってました。

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ぺんぎんも全然かわいくない。

 

まぁ、全体的にはめずらしい魚や生物を集めてたし、見る価値ある水族館だと思います。もう少し哺乳類がいると嬉しいけど、ごまちゃんがいたから良しとしよう。雨だけど楽しい週末でした★

12月南京旅行

遅くなったけれど、先月の南京旅行の記録をしておきませう。

上海から新幹線で2時間も経たぬうちに到着できる南京は、江蘇省の省都。その昔は中国各王朝の首都としても繁栄しました。日本では、南京大虐殺のイメージが強く、観光地としては敬遠されがちかもわかりませんが、やはり長江流域、華南地域の歴史を考えると、一度は訪れたい場所なり。

今回は、南京出身の会社の同僚がアテンドしてくれました。到着するなり、早速ランチ。

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こんな面白いお店に連れってもらいました。発見だったのは、南京の料理はとても美味しいということ。ちょっとしょっぱいらしいけど、日本人の口にもあうし、料理の仕方も豊富で大満足でした。

この中国人同僚はバドミントンのすごい選手でもあるので、彼が普段子供に教えているという体育館にもランチのあとでちょいと顔を出してみた。

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中国英才教育の現場を垣間見た気がしましたね。ネットよりはるかに背の低い子どもたちが大きくふりかぶってシャトルを追っていました。意外だったのは、みんな普通のトレーナーとか洋服で運動していた点。もっと英才教育だから服装とかもすごいかと思いきや、そうでもないのね。普通のかっこうなのにレベル高くてそのギャップがなんだか不思議でした。

 

さて、そして午後は日本軍の1937年の南京攻撃に関する資料とかを展示している例の博物館へ。正式名称は、「侵華日軍南京大虐殺偶難同胞記念館」と言います。

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敷地入口には、こんな巨大オブジェもあって、少し緊張します。個人的には、戦争はどちらかが100%一方的に悪いと言い切れないと思うし、当事者同士の主張は絶対に相容れない部分があるもんだと思うので、この記念館が日本人にとってどうとか、展示内容が真実なのか、とかについてはとやかく言う気はない。けど、少なくともこの攻撃で苦しんだ一般の人々が多数いたのは事実なのでしょう。

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中国人も日本人も、戦争で苦しんだ人たちがいたという事実と、これを繰り返してはならないという後世への戒めにするためには、こうゆう記念館は意味があるものだと思う。もっと覚悟していたけれど、展示そのものは、そこまで激しい内容ではなかった気がしました。平和への祈りの像があった。

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最後までまわって感じたこと。昔の話、今の時代の自分たちには関係ない、と片づけることはやっぱりできないな、ということ。今後の関係に引きずるべきものではないと思うけど、忘れてはならんでしょう、やはり。歴史っていうのは、民族、個人のDNAを象ってきたものだし、軽視できないと思うのだよね。

閉館時間の関係で滞在時間は短かったけど、あれこれ考えさせられました。

 

そして夜ごはんは美味しい火鍋を食べて、そのあとは南京の昔の雰囲気を楽しめる、「夫子廟」へ。おおもとは宋の時代に作られたみたいです。

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暗かったので、明・清時代の風格の建物、というのはあまり実感できなかったけど、とても賑やかな繁華街でした。

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ここを流れるのは秦淮河という川ですね。近くの橋の上からは遊覧船とかも見えてなかなか綺麗な景色を楽しめます。これで1日目が終了。

 

さぁ、2日目も南京のこれぞという観光名所をまわります。まずは、革命の父、孫文のお墓である中山陵へ!

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ここはとても広大な敷地なんだけど、孫文のお墓は、山の上の方にある祭堂にあります。

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じゃーん、この白い壁に青い建物です。中国と言ったら赤を連想しますが、国民党のカラーはこの青と白。まさに青天白日。しかし、国民党の象徴ともいえるべきこの建物を現中国政府が保存しているというのも少しあれなのですが、そうゆうことはおいといて、歴史的な価値のあるものとして評価されているということでしょう。何せ、今の中国があるのも、この孫文の革命行動があってこそ。孫文は党を超えて中国人に尊敬されている人物なのだろうと思う。

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のぼりきって見下ろす景色。空気は悪かったけど、すがすがしさがあります。中華民国を設立したときに、孫文もこんな景色を見たのかもね。

 

さて、中山陵からお隣の見どころへ移動。こちらは明孝陵です。明王朝を開いた朱元璋のお墓なり。朱元璋というのは、貧しい農家の出ながら、紅巾の乱でのしあがり、明王朝をたてた人物。ちょっと最終的には粛清しまくったり問題な点もあったようだが、国家を建てる人物というのはそれくらい曲者なのだろう。

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時間の都合で中までは入らなかったけど、建物正面で記念写真。

あと、要はここは、北京でもみた明十三陵のひとつです。つまりは世界遺産!いつもの世界遺産マークの前でも記念撮影。

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 あとは、このお墓の前のほうにある、石象神道という通りも歩いてみました。この神道は、北京のは時間がなくていけなかったので、ここでいけてラッキーでした!石の獣たち12対が参道を守っています。

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馬やら駱駝やら象やら獅子やら。少しぶさ可愛い石獣たちが整然と並んでいて、神様が通るにふさわしい道だなあと感じました。

 

こうして1泊2日の南京訪問が終了。行きたいメインの場所は全部おさえたし、おいしい南京料理を食べることができてとても充実した週末を過ごせました。私は中国の近現代史はめまぐるしすぎて少し苦手なのだけど、今回南京を訪れてみて、またきちんと勉強しなおしたいなあと思いました。今の中国を理解するためにはこの南京を中心に起きた歴史の理解は不可欠でしょう。

ぶらり週末 ~蟹を求めて80キロ~

上海と言えば、上海蟹。その上海蟹を一番美味しく食べられるのが、今の季節です。

一般的に上海蟹と呼ばれるのは、チュウゴクモクズガニというわれる淡水で生息する蟹ちゃんですが、上海では大闸蟹と言います。上海のお店で食べるとピンきりだけど、けっこう高いです。普通に1匹で1000円以上はする感じかな。そこで、この蟹ちゃんがたくさん取れることで有名な湖へ、新幹線で行くことに。蟹蟹ツアーなり!

湖は、陽澄湖といって、蘇州市にあります。上海から高速列車で20分くらいでつく駅(昆山南)から、さらに車で30分くらい走ったところ。

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天気が悪かったので湖はよく見えなかったが、少し湖からはずれた場所に、こんな風な蟹のお店がひしめき合っているエリアがあります。巴城と言われる場所です。蟹シーズン以外何しているかは謎ですが、この時期はこのエリアに続く道が渋滞するらしい。

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ひとつレストランを選んで中に入ると、奥に蟹がいるよ、ということで裏庭ならぬ裏池に案内してもらえた。ここで湖からとってきた蟹を保存しているようだ。

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バケツいっぱいの蟹が次々とするするひもで縛られていきます。こうしてひもで結ばれた蟹たちが、少し離れた上海とかの店頭に並べられているわけね。蟹はオスとメスで形も味も違います。10月はメスがおいしくて、11月はオスがおいしいらしい。我々は、オスとメスを1つずつ、両方食べることに。でも、個人的にはメスのほうの味が好きです。タマゴも美味しい。

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クモみたいにかごにはりついてます。見渡す限り蟹蟹蟹蟹蟹。ちょっと面白い話がある。昔々、ここのエリアでは蟹と人間が戦っていたらしい。人間は、はさみをチョキチョキする蟹を恐れていた。そんな中、この陽澄湖の水路工事を行うことになった人間たち。工事を始めると蟹たちの攻撃にあって、これが思うように進まなかった。そこで、蟹退治のために、自陣の周りにお堀をほって、そこに熱湯を準備。夜中に火を焚くと、蟹の大群がやってきた!が、蟹たちはまんまとお堀におっこちていったらしい。お堀の中は熱湯、蟹たちは色が赤く変わっていった。これをみた人間、美味しそうではないか、ということで甲羅をむしって、食べたとさ。これ以来、蟹を蒸して、カニみそを食べるようになったとさ。ちなみにこの退治方法を思いついた人が巴解、という名前だったもんで、蟹ちゃんたちは、巴解さんの足元の虫ってことで、蟹という漢字があてがわれたとか。本当かねぇ。

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何はともあれ、蟹はおいしく頂きました。蒸し蟹ちゃんを、酢と生姜のタレ&紹興酒と一緒に頂きます。蟹は人の体を冷やすらしく、だから生姜とか紹興酒とかと一緒に食べるのだと。なかなか合理的。我は足とか食べるの苦手なので、基本的にカニみそしか食べないけど、ここの蟹は上海市内で食べる蟹より安いうえに美味しかったぞ。来た甲斐がありました~。

 

さて、ゆったりと蟹を楽しんだ後は、蘇州の近くの山、天平山へ紅葉を見に行きます。残念ながら雨が降っていて足元が悪かったけど、山は綺麗に紅葉していました。

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あんまり時間もなかったので、山登りというか、公園みたいになっている場所をぷらぷらとお散歩しました。日本では街中でも紅葉がみられて秋を感じるけど、上海ではその感覚がなかったので、久しぶりに木々の紅葉をみて、改めて四季は美しいなぁと思った次第。

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公園の中にあった銅像と。帰ってから調べたところ、この范仲淹という方、北宋の時代の政治家だそう。名前は初めて聞いたが、苦学して政治家になったようで、なかなか立派な志をもった人だったようです。

 

ここから運転手の道間違いとかに振り回されながら、1時間弱かけて蘇州駅に向かい、また新幹線で30分くらいで上海へ。新幹線快適。

そんなわけで、上海蟹をしっかりと堪能した11月末でした。味噌美味しかったな。でも、同時に身のいっぱい詰まった日本の蟹も食べたいなぁと思いました。

世界遺産リスト㉔ 地上の楽園 西湖

上海から新幹線で約1時間。その昔、元の時代にマルコポーロが東方見聞録にて「地上の楽園」と形容し、世界で最も美しいと絶賛した街がここ、杭州であります。この街の中心にあるのが西湖、2011年に世界文化遺産に登録されました!

マルコポーロの時代から…750年くらい?の時を経て、我も週末を利用して西湖を訪れました。

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ここ、西湖は周囲が約15キロ、この周囲にはいくつもの見どころが点在しています。有名なのが西湖十景。最近はさらに西湖新十景というのもあるそう。せっかくなので、湖を1周観光することにしました。

季節柄もよいので、レンタサイクルすることに。デポジット300元と高めだけど、実際は1日のっても10元くらいというレンタサイクルは大人気。いろんな場所に駐輪場があって、そこで借りたり返したりできます。

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元気よく出発なり。西湖の東側から、南へ下ります。時計回りに1周する計画。10景の中から興味のあるところを選んで回ります。最初に訪れたのは、「柳浪聞鶯」という素敵な名前の公園。名前の通り、湖面に揺れる柳戸鶯のさえずりが情緒的な、公園です。もともとは何宋時代皇室の御苑だったそう。 くるりと一回りしました。

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 そしてここでハプニング発生。レンタサイクルの正しい使い方を理解していなかったのである。どうやら自転車を止めたときに、カードをかざさないとならなかったのに、忘れていたため、レンタカードが異常な状態に。あれ、あの電車のって降りるときにスイカかざさないと、次乗るときにエラーが出るのと同じ。これによって夕方まで自転車はお預けに。あちゃー。でも、なんだかんだでよい気候なのでガンガン歩くことに。f:id:s_iidada:20131026113556j:plain

よい景色。向こうに見えるタワーは977年に建てられた雷峰夕照という塔(今のは復元だが)。白蛇伝ていう昔話にも出てきたりするね。それにしても、ナイスなネーミングです。この塔の近くでランチして元気を補充。また歩きます。

 

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さて、ここが西湖のメインストリートともいえる、蘇堤春暁という場所。西湖を南から北へ渡ることができます。全長約3キロ。人がすごかったなぁ。

途中脇にある公園見たりしながら歩いてたら、けっこう疲れた。。。ので、北側まで渡りきったところで、素敵なスターバックスで一休み。

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隠れ家っぽいところにあって、やった穴場見つけた!と思ったが、ここもすごい人だった。ここでしばし休憩してる間に夕方に。西湖が一番美しいのって、やっぱり夕方だと思うのよね~。この写真を見れば納得でしょう。

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田舎に帰ったような懐かしい気持ちにもなりますね。こうゆう自然の美しい景色を目の当たりにするたびに、あぁきっと何百年、何千年も前の人たちも同じ景色を見て、同じ気持ちになったんだろうなぁ、自分は自然にとってはほんの一瞬彼らの前を横切った小さな存在にすぎないんだろうなぁ、と少し感傷的な気持ちになる。

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ともかく、マルコポーロの表現は正しかったと思う。ただひとつ、昔はこんなに観光客いなかっただろうよ。もう少し落ち着いて景色に入り込めたんじゃないかね。

さて、日も落ちかけたところで自転車復活!ここぞとばかりにびゅんびゅんとばし、西湖を1周し終えました。そしてそのままもう一回ちょっと右回りにぐるりと回って夜ごはんへ。夜ごはんを食べ終わったら、またスタバの近くまで戻ります。なぜなら、チャンイーモウ監督プレゼンツ、印象西湖を見るため。雲南省でも見たあのシリーズの西湖バージョンっす。

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湖の上で繰り広げられる劇。スケール大きくて色使いもいかにもチャンイーモウらしくってなかなか見ごたえありました。人が湖の上歩いてるように見えるのが不思議だったな。きっと湖の表面に舞台みたいのがあるんだろうね。

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よく分からん三角形のオブジェが湖の中から登場した。ここから水が滝のように流れてて、綺麗でしたよ~。

こうして西湖をめぐる1日が無事に終了しました。

 

翌日。西湖は前日にばっちり回りつくしたので、少し郊外に繰り出すことに。

行き先に選んだのがこちら。

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宋城。なんたって杭州は南宋の首都だったからね。南宋のテーマパークがででーんとあるわけですよ。日光江戸村の杭州バージョンです。しかし、本当は午前中だけテーマパークで遊んで午後は西湖付近に戻る予定が、ここのテーマパークのチケットは、午後の舞踊劇鑑賞代込みのチケットしか売ってなかった。。。ガイドブックには、入場チケットのみの値段が書いてあるのに、そんなチケットないじゃないか!!

わりと高いチケット(280元くらい)だったので、仕方なく午後2時半からの舞台も見ていくことに。つまり10時から14時半までたーっぷりこのテーマパークを楽しまねば損というわけ。

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しかし…シャビーであった…。特に午前中は人も少なくて、衣装きているエキストラのレベルも低いし、やる気ないし、かなりさびれてましたねぇ。でも、高いチケット払ったので、自らテンションをあげて、隅々まで遊びつくしましたヨ。

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謎のトリックアート的ミュージアム。全然南宋関係ないけど。

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階段の上には涅槃像もおわしますね~。

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あ~楽しい楽しい。友達と一緒だからかな?けっこう飽きずに楽しく過ごせてます。

そして昼過ぎるとかなり人も増えてきました。外の出し物も大盛況。

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そしてやっとこさ2時半。世界三大舞踊とかうたっちゃってる舞台なので期待は高まります~。「宋城千古情」という踊りです。

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うん、まぁけっこうよかった!中国っぽく黄金の大仏がばーって出てきたり、戦闘シーンでばんばん煙が上がったり、派手さがよかったね。でも、印象西湖みちゃった後だから、室内のステージそのものがちょっと物足りなく感じちゃったのも事実。

 

こうして、無事に杭州の旅を終え、また夕方新幹線で上海に戻りました。

今回の杭州の旅の唯一の心残りと言えば、お茶を飲まなかったことかな。杭州は龍井茶の産地ですので。次回は是非龍井村なんても訪れてみたいですなぁ。

ぶらり週末~淮海中路~

久しぶりの週末ということで、気の向くままにぷらぷらと市内散策。
こうゆう時間が一番好きだなぁ。

というわけで、今回は孫文が上海で暮らしていた場所へ。今は上海孫中山故居記念館といって、記念館になってます。孫文がここにいたのは1918年から1924年まで。ここで第一次国共合作が練られたというから、近代史にとって意義深い場所でありますな。

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このへんは、淮海中路から少し裏に入った通り。おしゃれなカフェもあれば、庶民の干す洗濯物も見える、時代が入り混じったような場所です。通りの両側に見られる緑もとても綺麗。この雰囲気は北京にはなかったねぇ。

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さて、こちらが入口。孫文先生とツーショットです。おばちゃんの団体の写真をとってあげたら、お返しに撮ってくれました。中は撮影禁止でした。この孫文先生の銅像の裏側にある建物には、孫文の友達の紹介とか、革命未だ為らず、って書かれた書面とか、色々あったけど、意外にあっさりしたものでした。

隣にたっていたのは、実際に孫文と奥さんの宋麗齢が暮らしていた時の家で、こちらも見学できます。とても洋風のお洒落な家でした。なんだかんだで金持ちだな、と感じた。

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これがちょっと面白かったので撮影。チケット売り場は自然へ配慮した形になっていました。この記念館は有料だからか、人もそれほど多くなかったし、喧騒から少し遠ざかった場所で穏やかな気持ちになれました。

 

このあと、近くのおっしゃれ~なカフェでランチして、ぷらぷらと次のスポットへ。上海は歩いて街中を移動できるのが魅力。孫文の家の近くにあった、周公館という場所へ行ってみました。ここは、周恩来が1946年~1947年に拠点としていた共産党駐在上海代表所。なこんな目と鼻の先に国民党と共産党のゆかりの場所があるのね。

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こちらは無料で開放しているからか、人が多かったな。近くで新婚さんがドレス着て撮影とかもやってた。このへん旧フランス租界で、街並みが綺麗だからね。素敵な洋館なのだけど中は事務所とか宿舎とかになってて、なんか外観と中身に若干ギャップを感じました。

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お庭には周恩来の銅像が。ここで蒋介石と会談したのかしら。

中国近代史をもっと勉強しようと思った土曜日の昼下がりでした。

上海もまだまだ未発掘がたくさんありそうです。

世界遺産リスト㉓ 九寨溝と黄龍

久々の世界遺産シリーズ!中国一番の大物遺産、大秘境!黄龍です!

中秋節という中国の三連休を利用してついにここまでやってきたぞ。上海から直行便で四川省のはしっちょまでひとっとび。

空港も既に海抜3000m級。ひんやりと涼しい空気が迎えてくれます。到着日は空港からホテルへ直行。車を3時間ほど走らせて、到着は18時半。

 

そしてやってきました2日目!九寨溝を堪能する1日です!

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じゃ~ん、九寨溝という秘境への入口でございます。早朝のため、並ばず入れました!込み合うとここにずら~っと行列ができるのでしょうね。パンダが見守ってます。

風景地区の中は、Y字型に見どころが広がっています。100を超える湖や湿地、滝があるよ。徒歩では回りきれない広さ(720㎢)ゆえ、バス移動なり。まずY字の右上までいって、歩いて分岐点まで戻って、それから今度Y字の左上までいって、また戻ってきます。

 

さて、まずは右側から。次々と美しい原生林と湖が迎えてくれます。
えーと、これは鏡海だったかしら。

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九寨溝はね、湖を「海子」とよびます。ここは中国大陸の内陸。海なんて見れない人々は、ここを海の子供、って名づけたんだね。実際は氷河の消失という実に4千年も前から形成された湖なんだよね。そりゃこんな神秘的な色、透明感になっても不思議はない。

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それにしても、ガイドと一緒にきて大正解!全然人のいないまさに秘境のような場所を効率的にどんどん回れます。滝もちょこちょこあるよ。

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こちらは有名な、「パンダ海」と呼ばれる湖。昔はここで水を飲むパンダを見られたそうです!パンダと同じ世界を体験~。それにしても綺麗だ。
紅葉も始まっています!青い空、白い雲、コバルトブルーの水、緑の葉と黄色、赤色の葉。なんとも美しいコントラストに息を呑みます。

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さぁ、ここでせっかくなので衣装替え。ここはチベット系の少数民族のいる地域ですからね!じゃーん。

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ちょっぴり曇ってるけど、湖に空がそのまま映ってるよ!

移動してきてこちらも有名な、五花海。f:id:s_iidada:20130920091956j:plain
深さが浅いのと、他の場所よりミネラルが豊富なので、こんな何とも言えない色になっているそう。中国語で五っていうのはね、本当に五つってことではなくて、たくさんって意味なのよ。天気や角度によってさまざまな色合いを見せるからこの名前。納得。
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これぞ九寨溝っていう代表的な景色をカメラに収めることができました。

もはや写真がありすぎるので色々割愛するけど、こちらはY字の左上の一番有名な見どころ。五彩池という場所です。ここはすごい人だった!明るい水色が特徴的な場所です。

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カルシウムとかマグネシウムとかたっぷりだそうよ。石灰質の含まれる分、ちょっと黄色みがかった色合いも楽しめます。


Y字の右と左との湖を十分堪能したところで、分岐点のレストランでランチ★敷地内に唯一というレストランは、すごい収容力。値段でエリアが分けられていて、我らは60元のビュッフェスタイルエリアで一休み。

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マーボー豆腐がおいしかったな。さすがは四川省。

ランチのあとはゆっくりY字のIの部分をバスで下ってきました。各湖で途中下車しながらね。湖以外にも、民家の見学とかできます。

そうそう、なぜそもそも九寨溝っていうかの説明。このへんでは、集落のことを寨子、と呼ぶのね。このエリアには9つの寨子があったから九寨溝というわけです。台湾の九分と一緒だね。

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チベット仏教だから、マニ車。ここは観光用に建設中な感じで、歴史はなさそうだね。まだ建設中だからマニ車に文字がない(苦笑)


早々と14時くらいに入口まで下ってきたら雨がポツポツと。ギリギリセーフ!混む前にスムーズに見学できたし大満足でした!このあと、お決まり足つぼマッサージ。そして夜はここの少数民族の舞台を見に行きました。充実の九寨溝だったぞ!

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そして3日目、最終日は九寨溝から南へ80キロ!早朝出発して、2時間半ほど車にのって、もうひとつの世界遺産、黄龍へと向かいます。ここは標高が3500m。さらい高い神秘的な場所です。この山、黄色い龍が登っているように見えるからこんな名前らしい。

まずびゅーんとロープウェーにて山頂まで。朝早かったので並ばなくて済んだ。ロープウェーの降り場から一番の見どころまでは歩いて1時間くらい。紅葉してて楽しいお散歩道でした!

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ここも九寨溝と同じくカルスト地形。石灰質の土壌と湖水がまじって、不思議な色合いを演出します。黄龍では、この湖が棚田みたいな状態なのを見られます!

一番有名な、標高3476mに位置する五彩池へ到着!

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じゃーん。空、山、だんだんの湖!なんとも爽快な景色です。夏に比べるとちょっと水量は少ないみたいだけど、とっても綺麗でした。

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まだ人も少なかったので何枚も記念撮影。ただ、角度がないのでちょっとだんだんになっているのが分かりにくいかな。空模様で水の色も変化するそうです。この日はお天気だったから空の青が映ってた。

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この角度だと棚田っぷりが少し伝わりますかね。紅葉の色が映って少し黄色っぽくも見えます。自然の不思議を感じる風景なり。

そしてここからが少し大変な道のりでした。下り続けて麓までいくんだけど、結構歩くのよね。道は整備されてるんだけど、下り続けると足がガクガクしてきます。

ガイドさんは、五彩池以外はどれも普通、って言ってたけど、個人的には下り路の途中で見られる棚田湖は少しずつ様相が違って全部美しかった!

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ここはかなり水色だったので、小学校のプールみたいに見えました。棚田の規模が小さいと、温泉ランドの丸いプール温泉みたいに見えるところもあった。

 

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こちらは木が生えててちょっと面白いなと思ったところ。

休み休み、2時間くらいかけて下ってくると、今から徒歩で上まで登らんとする人々とすれ違いました。こうゆう自然系の遺産は、本当に見ごたえがあるんだけど、体力が大事ですね。途中で力尽きても誰も助けてくれないし、カートとかが走れるわけでもないし。元気なうちにきてよかった!

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最後にお決まりのモニュメント前で記念撮影。

九寨溝と黄龍は、いつぞやか、日本のCM(確か黒木メイサだった)を見てからずっと来たかった秘境でした。あの時は本当に来られるなんて思わなかったし、中国に暮らすことになるとも思わなかったな。人生は変化が多くてこそ面白いですね。

ここまで来られてよかったよ!