世界遺産リスト④ 頤和園
市内世界遺産リスト第四弾。西太后の超お気に入りの離宮、頤和園でございます。
こちらに来る前から、長城、故宮に並んで興味のあった場所です。
頤和園は、もとは乾隆帝が母親の還暦祝いに建てた清漪園という庭園でした。お祝いに庭ってすごいね。
その後、第二次アヘン戦争で連合軍に破壊されたものを、1888年西太后がこれまた自分の還暦祝いのために巨額を投じて再建。海軍費用が流用され、日清戦争敗北の一因となったことでも有名。
世界遺産記念碑。いぇ~い!本物だといいな。
こちらは東側の入口正面。後ろにおわしますは、頭は龍、胴体が蛇、角が鹿、蹄は牛という麒麟。ごちゃっとしてますが、要は神聖な霊獣。
さて、頤和園はその大部分が人口湖(昆明湖)と、その湖を作るときにけずった土砂でできた山(万寿山)で構成されています。超大がかりなガーデニングって感じですね。
まずは昆明湖に沿って南に歩きます。
広大なため船も出てます。
奥にうっすら見えるものは…近づいてみましょう。
の前に牛発見。こうゆうの京都でも見覚えが…
さぁ、つきました。
あれ…これも見覚えが…。
最近見た盧溝橋に似ています。それもそのはず、この十七孔橋は、盧溝橋を模して造られたそうな。中国庭園における最大の橋。
本当は橋の上から、対面側に万寿山が見えるはずなのに、変な天気で台無し!うっす~らと山の上に建築物があるの、見える? 手前の湖上の船ばかりが気になりますね。なんかこの船の数もちょっと風情がなくて残念。
がぉ~無念だぉ~
さて、ここからまた北上し、万寿山を目指して歩きます。途中色々みたお堂はここでは省略。
さぁ、山まで道のり、湖沿いになが~い廊下があります。その名も長廊。散策の一番の見どころです。廊下への入口↓。
728mの廊下の梁には、全て極彩色の絵画が描かれています。
世界遺産なんだがみんな自由に腰かけてご飯食べたりしてます。ははは。
長廊を西にしばし歩いたところで、万寿山の入口に到着しました。ここが頤和園の中心です。
山の上にそびえたつは頤和園のシンボル、仏香閣。晩年仏教に帰依した西太后は、巨額を費やしここを建築、中国名建築のひとつとされています。
さぁ、あの上に登って、頤和園全体を見渡すぞ!
ひぃ…
ついた!
スモッグで湖がよく見えん!!ガーン。笑
でもよく登りました。
建物の中にはちょっと珍しい菩薩像もいらっしゃいます。
なかなか。
万里の長城同様、足腰が丈夫なうちの登頂をおすすめします。
ところで頂上から見える、あの黒いお堂。ここもチェックしていたスポットです。中国建築史上でも最も珍しい銅のお寺。気になる気になる。行ってみよう。
ひぃ…今度は下り。
着きました。真っ黒。西太后のためにチベット僧がお経を読んだそう。
さて、ここで小休止。
宮廷料理。あんまんが一番美味しかった。
実はこの宮廷料理を食べた場所もひとつの見どころなのですよ。
京劇好きな西太后が誕生日に名優に上演させたという大戯楼があります。しつこいけど、蒼穹の昴ですね。
さぁ、雨も降ってきたのでスピードアップ。
最後は頤和園でもうひとつ気になっていた場所。湖の端にとまる、石の船、清晏舫です。
神仏の世界へ向かう宝船。フランス的要素もとりこんでいるそうです。
この船、水がゆらいでもゆらがない、つまり皇帝の権力の象徴であるとも考えられます。
さあ、このあとは山越えして、北側から出ました。
天気が変で少し残念でしたが、頤和園の壮大なスケール、美しさを体感できました。
西太后が1年の3分の2以上をここで過ごしたかった理由はわかるものの、年老いた彼女の一興のために国が衰退した史実を思うと、美しい庭園にも若干陰を感じますね。
また、頤和園は中華人民共和国成立後、しばらく中国共産党がおかれていたりもしました。江青も住んでいたそうですよ。まさに、中国激動の近代を見守ってきたお庭ですね。
天気のよいときにまた来たいです。