世界遺産リスト⑤ 大同の雲崗石窟 (8/26)
さて、大学の旅行後半戦。内モンゴルからバスで2,3時間ほどで、大同に到着です。
パオは風呂なしだったため、まず大同のホテルでシャワーを浴びて、夜ご飯火鍋を食べて翌日に備えました。翌日は旅の目玉その2、世界遺産の雲崗石窟訪問です。
到着、入口を入って、石窟まで続く道のりです。
う~ん、…何かがおかしい…。新しすぎる。
ガイドさんに聞くと、去年作られたそうです(・・;) 昔あったものの再現とか修復なのか?と聞いたところ、「いや、再現を目指してテキトーに作ったものです。」と( ̄^ ̄)やっぱりね。
ちょっと真面目な話を書くと、大同はもともと炭鉱の町です。中国の埋蔵量の30%が大同にあり、国内火力発電の9割に用いられれる高品質の石炭がとれるそう。でも資源には限りがあります、そこで最近は観光業に力を入れているそう。
でもねぇ、古いもの壊して新しく立て直してしまう方針はちょっとアレよね。。。
説明はこれくらいに、東洋の芸術宝庫と呼ばれる雲崗石窟を見ていきましょう!
山に全部で53窟あるそうな。漢の時代にシルクロードから仏教が伝来して以来、敦煌、洛陽などにも大仏が刻まれてきました。仏教の力を感じます。
風化が激しい場所もあるけど、5~20窟あたりはかなりきれいに残ってるみたい。順番に全部みていきました。
けっこう風化。
↓は第三窟。微笑をたたえた表情が何とも言えません。
大仏にぽつぽつ穴があいてますね。過去に大仏を保護するために外部に粘土をはりつけたそうなんだが、その際にただ貼り付けるとすぐ剥がれ落ちるから、杭を打って、網をはりめぐらせ、その網の間に粘土を塗りこんだそう。でも結局その後粘土もはがれ落ちて、このような杭の跡が残った姿に。
一部の石窟の前にはこのようなやぐらが建てられていて、大仏を外気から保護しています。
さて、残念なことに色彩が美しいと言われる10窟は修復中でしたので、目玉の16~20窟を見学します。
16~20が北魏の時代にドウヨウというお坊さんによって作られた一番古い大仏で、各大仏は北魏の皇帝を見本にしているとか。
の前に、こんな面白い石窟もあります。小さい大仏がぎっしり掘り込まれている。
スケールがわかりにくいのでアップで1枚。
ひひひ
さて、16窟は北魏の初代皇帝の顔。面長な騎馬民族の顔だそうです。ネクタイもとても特徴的。
次はかなり面白い。17窟は失敗作品で、掘り始めたら胴が長くなりすぎて、仕方なく下に掘り進んだということ。確かに長いです。そりゃ、山肌を直接掘っていくのだからこんな失敗もあるでしょう。
次の18窟が、個人的には一番よいと思いました。3代皇帝太武帝がモデルの大仏。
目玉は盗まれてますが、その少し憂えたような表情が印象的。また、この大仏の手のポーズはとても特徴的。アップで見てみましょう。
この、手のひらを内側に向けているのは懺悔を表しているそうです。太武帝は廃仏運動を指示した皇帝。そのため、袈裟には彼が殺した僧たちの姿も刻まれています。分かるかな?こうゆう歴史背景を知るととても面白いです。
次の19窟は雲崗石窟No2の大きさです(16.8m)。太武帝のこどもで、皇太子の時に殺されてしまいました。右側の2つの洞窟は耳洞と言われてるそう。この写真、わかりやすいので説明すると、通常、大仏の顔がのぞいてる上の穴を、採光のために最初に掘ります。そのあと、どんどん奥に掘り進んでいくんだそうです。夜は真っ暗だし、天気のいいときしか作業できなかったでしょうね。
さぁ、最後の20窟が、雲崗石窟のシンボルと言われる大仏。微笑をたたえた悠然とした姿は圧巻。大仏の左右には、通常左側に未来、右側に過去をあらわす弥勒菩薩像が一緒に掘られます。この20窟、「未来」が風化してなくなってますね~(苦笑)。
ちょっと上ったとこからとった写真は以下。スケールの大きさがよくわかるでしょ。
日本語ガイドさんがついて、とてもラッキーでした。やはり歴史を知ってみるのとただ眺めるのとでは感動が違います。
それにしても、人の手でこの大仏を掘り進んだとは、本当に偉業。信仰の力とはすごいですね。びっくりしました。