ねぎ子のブログ

congzi's blog

中国とベトナムの間 ~週末トリップ~

7月。だんだん暑くなってきましたが、暑さに負けず大陸南方、広西チワン自治区を訪れました。この2年でいわゆるメジャーどころは観光済みゆえ、さらなる中国の知られざる魅力にせまるべく、地球の歩き方をぺらぺらとめくっていて見つけたのがここ、広西チワン自治区とベトナムの国境沿いである徳天跨国大瀑布です!つまり滝。国境をなす滝としては、世界第四位らしい。水量の多い7月~10月がシーズンということで、金曜夜に上海を飛び立ち、2泊3日でいってきました。

 

旅の起点は省都の南寧。しかし南寧市内にはよらず、空港から直接国境に近い町、凭祥市へ2.5時間かけて向います。小さな町で、気候も人の雰囲気もベトナム。夜中に市場で焼き鳥みたいなのを食べて、すぐホテルへ。翌日に備えます。

 

翌朝、滝を訪問する前に訪れたのが、ホテルから30分ほど車を走らせたところにある、友誼関。名前からわかるとおり、昔の関所、今もベトナムとの国境です。なんでも漢の時代に創設されたという、いわゆる国境を守る長城ですね。長城と聞くと、北方を思い浮かべるけど、南にも同じように長城があるのですねぇ。階段の傾斜が大変なことに。。。

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19世紀以降はフランスや日本の占領下にあったようで、長い歴史を持つ場所です。長城の上には戦争のあとの塹壕が。

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ここの名前はいろいろと変わってきたようですが、今の友諠関というのは、ベトナムと中国との友好を願ってつけられたのでしょうね。

 

そしてフランス風建築の、もと税関。おしゃれですね。今は使われていません。

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そしてこちらがいわゆる、友諠関の建物。楼閣があって、両側が長城につながっていますぅ。

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この楼閣は、1957年に作られたものですが、ここの上で政治家による会談も行われたとか。ここ以外にも、中国には9大関所なる、関所があるそうな。全部いってみたいなぁ。

 

そして、ガイドさんの勧めにより、この友諠関をくぐりぬけ、ベトナムへ行ってみました!中国人はビザの申請が必要だけど、日本人ならそのまま通れるから、と。ここを通ってベトナムに入る日本人なんているのだろうか・・・ドキドキしながら、ガラガラの税関をくぐり、出国審査、入国審査!

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じゃーん。ベトナム側です。ヨーロッパ以外ではじめて陸路で国境越えしました。ベトナム側は観光地にもなっておらず、なーんにもなかったので、とりあえず記念撮影のみしてまたすぐ出国。中国側の入国審査で、日本人かよ、とひどい悪態つかれて悲しい気持ちになりましたが、無事に中国へ戻れました。少数民族の多い場所などは、国家統一のため愛国教育も徹底しているから、仕方ないことかもね。

とにかく、パスポートにめずらしい『友諠関』なるスタンプをゲットできたことが一番の収穫でした!これからはベトナムに行ったことあるって言っていいかな。

 

さて、関所から市内に戻ってランチしたら、3時間ほど車を走らせます。

途中でも田舎の風景を楽しめます。川の向こうがベトナム。

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 ついにお目当ての徳天跨国大瀑布に到着!途中スコールにあってドキドキしましたが、滝に到着した時には雨もやみました、ラッキー。

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やってきました!ベトナム側もあわせると幅200m、三段になっている大きな滝です。雨のおかげで水量がものすごいことに。ちょっと茶色いのは仕方ないけど、迫力満点です。 

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滝のすぐ横の展望台は水量が多くて封鎖されていました、管理のおじさん曰く、自分がいる時は通せないけど、朝早くくれば人がいないから通ってええよ、と。そうゆう問題なのだろうか・・・、とにかくまた翌朝トライすることに。

 

さて、滝の脇路は、露天街となっています。

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このロープをくぐると向こうはベトナム!ガイドさんが、紅牛 (レッドブルという飲み物ね)の値段が、向こう側ベトナムだと5元、中国だと8元もするんだぜ!と。さすがにここには銃をもった軍人が立ってるのでちょいと行って買い物、というわけにはいかないが、夜中になると川の両側からイカダが渡されて、密輸が行われているそう。みーんな知ってて見て見ぬふりだそうです。

 

暑い中、あまり整備されてない道をえっちらおっちら上り、高台からの景色も拝んでみました。滝の上と下を両方見るという不思議な体験。まるでこちら地上の世界とあちら天空の世界みたいで神秘的、面白いなぁ。 

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そういえばここの滝の近くは観光地ということもあって、ベトナム人の出稼ぎがたくさんいるそうです。顔も違うけど、一目見てすぐ違うと分かる面白い話をガイドさんが教えてくれました。それは緑の帽子です。ベトナムの男性がかぶる緑色の帽子があるんだけど、中国人の男性は、絶対に緑の帽子はかぶりません。緑色の帽子っていうのは、妻を寝取られた男の象徴だそうで(昔、元の時代に売春業をやっている女性の家族の男性は緑の帽子をかぶらされる法律があったらしい)。文化の違いですねぇ。皆さん中国にくるときは、緑の帽子はかぶらないように。

 

この日は観光地内の滝の真ん前のホテルで就寝。

翌朝、滝の近くにいけるかどうか、リベンジです。まだ一般観光客に開放されてない時間なので、滝に向かうのは我と友人の2人のみ。水量は残念ながら前日と変わらず多く、ダメかもなぁと思いながら滝に向かいます。張られたロープの前であきらめかけたところ、警備員のおっさんが登場。「うーん、ダイジョウブさ」と行ってロープをくぐっていったので、我々もこれに続きました。なんていうかラッキー。

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 さて、こちらが展望台からみた滝!すごい迫力!マイナスイオンをたっぷり浴びます!!ていうかずぶ濡れです!!

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さらに滝の2段目、3段目にあがる階段もあったのだが、おじさんもいなくなり、さすがに危ないだろうと判断して、滝の観光はこれにて終了。でも大満足でした。

 

さて、メイン観光は終わりましたが、この近くには通灵大峡谷ていう、中国で一番高い滝があるということで、ここも行ってみました。

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木々があって水のあるところは、やはり涼しいですね。珍しい植物もたくさんあるようで、これが●級レベルの保護植物だよ、とか少数民族のお姉ちゃん(大学生)が説明しながら歩いてくれます。

滝はこちら!!落差188.6m!みんなカッパをかぶりながら近づくところ、我らはそのまま直進。びしょ濡れだー!マイナスイオン万歳!

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滝の見学後も、鍾乳洞をくぐったり、けっこうな距離を歩きました。中国の旅行は体力勝負です、日々鍛えていないことをいつも後悔する。 

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自然を満喫して、早めに空港へ。さすがに時間が早すぎたので、途中でどこか見る場所ないか聞いて訪れたのが、凭祥市と南寧市の間にある、崇左市の左江斜塔。だーれもいないさびれた場所に突如あらわるこの塔。入場料がいるのか開放されてるのかもよく分からんかったけど、運転手さんが旅行会社の下見です、とかなんとか言って入れました。いぇい! 

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今まで訪れた外国人なんているのかしら、と思ったが、あとからネットで検索してみると日本人旅行者のブログが。。。日本人の旅行好き、恐るべし。負けてられません。

 

帰りの飛行機も大幅には遅れず(もはや1,2時間の遅れは普通)、弾丸トリップもまた無事に終了しました。個人的には北方の、漢民族や満州族のちょっと厳しい「中国」て感じの雰囲気が好きですが、こうした東南アジアの気候、雰囲気もなかなか素敵ですね。広西チワン自治区で聞く中国語はもはや外国語にしか聞こえませんでしたが、少しあったかい感じがしました。人も背が低くて愛嬌がある感じ。中国大陸の広大さ、残された自然を改めて感じた3日間でした。