世界遺産リスト⑲ 明十三陵
ついに、北京の世界遺産をすべてコンプリートする日がやってきました。
最後まで残っていたのはこちら、「明十三陵」です。明十三陵というのは、北京にある明の時代の皇帝のお墓群であって、厳密に世界遺産というのは、北京だけでなく、中国内の各地(南京とか瀋陽とか)の明・清時代の皇帝のお墓、全てをひっくるめたものです。
明十三陵の中で、今見学できるのは3か所。時間が限られていたので、万歴帝のお墓である、定陵にいってきました。
ここには、万歴帝と2人の皇后のお墓があります。ここの特徴は何と言っても、地下宮殿!地下27mの場所に、本当に地上と同じように門とかがある宮殿が作られているのです!!よく発見したなぁ、考古学者はスゴイ。
こちらが園内の地図。南から入っていくと、一番奥、北側に地下宮殿があります。万里の長城に比べるとそれほど観光客も多くなくて、気持ちよく散歩できました。
このへんの地上の建築物は、戦火で失われて立て直されたみたいです。
この真ん中の主殿を過ぎるとついに後ろ側に地下宮殿が現れます。現れるって表現はふさわしくないかな。入口は一番北側までいかないと見えません。ただ、地下宮殿の上は、こんもりと塚のようになっています。それにしても、ここの地下宮殿の発掘は入口の扉をあけるのだけで1年4か月もかかったとか。ひぃ。
こちらが地下宮殿の造り。一番奥の奥殿に皇帝と皇后の棺があります。
こちらの棺はさすがに本物ではないのだけど、あとで博物館で発掘当時の写真をみたら、本当にこの形の棺があったのが分かりました!いやぁ、すごいね。ていうか、お墓にどれだけお金を費やしてるんじゃ!
掘った人が後から整備したんじゃないの?と思ってしまうほど、綺麗に壁や扉、天井のアーチが残っています。すごいねぇ。ここにおいてある陶器とか石の椅子も、本当に地下に納められていたもの。綺麗です。
地下宮殿だけど、ちゃんと地上と同じようにこんな門構えまであります。地上よりもさらに神聖な気持ちになりますね~。27m下ったので、また27m階段を上って地上に帰還。
あそこの扉から外に出てきました。
初めて皇帝のお墓をみたけど、エジプトのファラオ同様に、きっと中国の皇帝も死後の世界を重視していたんでしょうね。自分が死んでからのお墓にこんなに労力をかけてお金をつぎこんでいたなんて。ちなみに万歴帝は、こうゆう出費がかさんで民を苦しめたので、後世の評判はイマイチだそう。そりゃそ~だ。
でも、こうゆう皇帝がいたからこそ、今の時代になっても我々は、よい状態で保存された歴史的な建築物、出土品を楽しむことができるのよねぇ。
北京の世界遺産は、どれもその時代特有の文化を反映していて、特色があって、見ごたえのあるものばかりでした。北京に住んでる間に全部見ることができて、満足なり。