ねぎ子のブログ

congzi's blog

ぶらり週末 ~国立人類学博物館とチャプルテペック城~

メキシコでもっとも有名な博物館といえばこちら、国立人類学博物館

メキシコの古代文明がぎゅっと凝縮されていて、真面目にみたら丸1日あっても足りないほどの展示量。メキシコ古代文明の知識はあまり持っていませんでしたが、百聞は一見に如かずということで、まずは見に行ってみることに。

博物館は、チャプルテペック公園という、市の中心から少し西側にある広大な公園の一角に位置しています。

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入り口はこちら。中に入ってチケットを買うと、さらに敷地の内部に入れます。

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噴水逆バージョン?上から水の降ってくる不思議なオブジェのお出迎え。この中庭を中心にコの字型に見学フロアがあります。右回りが正規ルートのよう。確かにアメリカの起源、というところから始まりますが、途中で歴史の流れは関係なくなるよう。ということで、ガイドブックに書いてあった、おすすめの左回りルートに従って、2時間ほどでぱぱっと見学することに。

 

■マヤ(第10室)

まずはマヤ文明から。紀元前600年~16世紀(スペインの侵攻)までメキシコ南東部、ガテマラのあたりで栄えた文明です。数学(ゼロの概念)、文字、天文学など、独自の文化が発達していたのは有名。ここでの目玉は、メキシコ国内の古代都市遺跡「パレンケ」という場所のお墓から発見された、7世紀の王様、パカル王の遺体の装飾品。

翡翠の仮面じゃ!!

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このまま発見されたのではなく、200にばらけてしまっていた破片を集めて復元されたようです。

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じゃーん。王様ともなると、装飾品も豪華ですね。神殿の地下にあったというお墓がどんな感じだったのかも再現されていました。掘り当てた考古学者は嬉しかったでしょうね。マニアックですが、発見したのはアルベルト・ルスという考古学者だそうです。

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この翡翠の仮面が一番みたかったものですが、ほかにもおなじみの生贄の台、チャックモール像も飾られていました。カンクン近くのチチェンイツァー遺跡のものです。

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■メキシコ湾岸(第9室)

 こちらは古く紀元前1800年から続いたオルメカ文明を紹介するエリア。オルメカ文明と聞いてピンとこない人も、この巨大人頭像を見ると、あぁこれか、と思うのでは。

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何のために作られたのか、分かっていないそうです。これ作るのはかなりの労力でしょうし、きっとどうしても作らねばならぬ理由があったのでしょうね。むむむ。

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入り口入ったとたんに中央に見えるこの人頭像以外にも、面白い土偶のようなものがたくさん展示されていました。全部表情が異なっているので、ひとつひとつじっくり見て回るのも面白そう。

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■オアハカ(第8室)

メキシコ南部のオアハカ盆地の文明を紹介しています。あまり聞きなじみないですが、紀元前からこの地で栄えていたのがサポテカ文明。

金属を使った装飾品があるのはこのサポテカ文明だけだそうです。

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この文化の中心だった祭祀の場は、モンテ=アルバンといって、世界遺産に指定された遺跡です~。のちに侵攻してきたスペイン人が見て「おぞましい儀式・・・」と言ったといわれる、捕虜を拷問した様子の描かれた石刻が残っています。「踊る人」という楽し気なネーミングになっていますが、実際は首を切られたり去勢されたりしている捕虜だそう…

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モンテ=アルバンを中心とした場所は1000年ごろには衰退してしまって、その中心はミトラ遺跡に移ったそう。ミトラ遺跡っていうのは聞いたことがある気がしますね。

 

■アステカ(第7室)

コの字型展示の中央の一番広いフロアに配置されているのが、アステカ文明の展示。

14世紀から栄えた文明です。オルメカやマヤ文明を見たあとでアステカ文明を見ると、14世紀って新しいな。。。と感じてしまう。そして石刻の像なんかを見ている限りは、あれ、紀元前も14世紀もそんな変わらん、、、と素人的には感じてしまったり。

気を取り直し、博物館のメイン展示ともいえる、アステカカレンダーの前で記念撮影!

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直径3.6m、重さ25トン。アステカの暦を示しているものです。複雑で説明しきれませんが、中央の太陽神の周囲に描かれた細かいモチーフは、宇宙の移り変わりと1年365日のサイクルとを示しているとか。アステカ人はこの正確なカレンダーに従って農業、祭祀など行っていたんですね。いやはや、恐れ入りました。紀元前から変わらんなんて言ったらバチがあたるわ。それにしてもこんなカレンダーが、アステカ帝国崩壊後にメキシコ市内でうち捨てられてた、というからびっくり。捨てるな!

 

ほかに気になったものとして、アステカ帝国を征服したスペイン人、コルテスに贈られたという王冠のレプリカ。

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(※本物は、なぜだかウィーンにあるそうです。)

前回のブログでもちょっとご紹介したとおり、もとは湖に浮かぶ島だったというメキシコシティの歴史がわかるような絵やジオラマもありました。

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また、アステカ帝国で行われていた球戯のグッズの展示もあり。ちょとハリーポッターのクィディッチ的な感じ?この丸い穴にゴムのボールを通して得点するルールだったそうですが…ボールに対して穴が小さすぎて難易度高いと感じる。そして想像するに、球の遊びと表記しているが、この球戯で負けた者は生贄になったに違いない。。。生贄文化恐るべし。

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■トルテカ(第6室)

ここらで若干疲れが出てきました。一度外のベンチに座って休憩したのち、再びトルテカ文明の展示室へ。メキシコ北部で900年頃から栄えた文明です。この文明の中心と考えられるのがトゥーラ遺跡。遺跡のピラミッド上に立つ戦士の石像が、ここで見学できます。

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はい、おなじみの生贄の台も一緒に撮影。戦士の像は高さ4.6mもあります。よくこんな像をたくさん作ったものですね。

 

■テオティワカン(第5室)

はい、メキシコシティ観光時にはセットで訪れる場所、テオティワカン文明の展示室までやってきました。テオティワカンには夏に行ったので、ここで見る必要がない気もしましたが、コンパクトにまとまっているのでとりあえず復習として回ります。

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あれ、さっそくテオティワカンでは見られなかったものに出会えました。こちらは、太陽のピラミッドという最大のピラミッド前にあったとされる円盤。ほかにも、神殿がほぼ原寸大で再現されており、これはこれでけっこう見ごたえありました。

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テオティワカン遺跡は広くて歩き回るのは疲れるので、博物館でこうしてゆっくり細部まで楽しむのもいいかもしれないですね。

 

さて、あとは先古典期やアメリカの起源などの展示をさくっと覗いて終了。2時間とは言え疲れたので、最後に博物館内のカフェでチョコラテを頂きました。お土産屋さんで巨大人頭像のレプリカを買うか悩んだものの、使い道がないのでやめておきました。メキシコのこうゆう観光所のおみやげは日本ほど充実していませんね、私だったらイラスト入りでもっとかわいい文房具作るのになー、とか思いました。

 

さて、博物館をあとにして向かったのは、チャプルテペック城です。チャプルテペック公園はとても広い!&お城は小高い場所にあるので、博物館から歩くと思いのほか遠かったです。さらに正午過ぎの暑い時間帯に坂道を上ったので、到着時には既に若干疲れており、お城はあんまりきちんと観光できず、一応中を一周した、という感じになりました。

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ガイドブックによってもいろんな説明があるのですが、スペイン総督の週末用別荘として18世紀に建てられたそう。その後、メキシコ大統領で独裁者だったディアスの公邸ともなり、当時の装飾などが今も残されています。(国立人類学博物館見たあとにくると、新しすぎて、装飾とかにもちょっと心惹かれないが。)

さて、お城の中での最大の見どころは、革命の間と呼ばれる一室。

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ここは1室がぐるりと壁画。シケイロスの「ディアス独裁制から革命へ」という作品です。巨大すぎて全体像をうまく撮影できませんでした。

 

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おそらくスペイン総督や王室の人が乗っていたと思われる馬車の展示もあり。シンデレラの馬車みたいですね~。数百年前(てほど前じゃないか?!)までこうゆう馬車が普通に走っていたのだから面白い。

お城の上から市内を見下ろすとこんな景色です。

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見づらいですが、公園の正面口から1本伸びる通りはレフォルマ通りという目抜き通り。通りの先には独立記念塔がわずかに見えます。もとはスペインのために作られたお城から見える独立記念塔。ちょっと皮肉な感じがしますね。

最後にお城の正面で記念撮影(残念まぶしくて目を閉じた)をして、観光終了。

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お城を下るときは疲れ切ってしまい、ひたすら無言で行進でした。近くの韓国焼肉で遅め(といってもメキシコ的には普通時間)のランチをとって充実の1日が終了。

 

国立人類博物館では、メキシコ国内に点在する古代文明の貴重な遺跡を一度に堪能できてとてもよかったです。歴史や遺跡に興味がなくても、公園の散策の合間にちょこっと立ち寄って、有名な展示だけ見るのでもけっこう価値はあると思いました。