中国水墨画の風景を訪ねて ~広州&桂林②~
★桂林編★
広州から飛行機で1時間、早朝の移動で桂林空港に到着しました。
桂林は、広西チワン自治区の北部、湖南省に近い場所に位置する山に囲まれた街。いわゆる中国っぽい代表的な山水の風景を見ることができまする。
本当は、ついたらすぐ桂林から南に向かって「漓江」を川下りをして、南側の小さな都市、陽朔に行くつもりだったのだが、桂林は前日までの大雨で川が大増水!残念ながらこの日の川下りはNG。
というわけで、まず桂林の街中を散策することに。
- 独秀峰
桂林市の中心にある山&博物館(靖江王府博物館)。
この門をくぐると、すぐ手前に博物館があって、そこでは桂林の歴史みたいなことが紹介されています。
博物館を出ると、なんか軽井沢の別荘って感じの気持ちのいい緑の景色。黄色い建物の後ろにこんもり山が見えてきました。ここ頂上から、桂林市内を一望できるとのこと。あと、山の下に洞窟があって、その中には羅漢が祀られてたりしましたね。では、山の上の景色をご紹介。
面白い形の山が見えるね。本当に山に囲まれている!ちょっと天気は悪いけど、風が気持ちよかったです。
- 穿山麓
次に訪れたのは、街中にある公園。ここでは、鍾乳洞を見るのが目的。桂林にはいくつも鍾乳洞があって、そこの中がライトアップされてて綺麗なのです。
整理番号をもらって、20人くらいずつのグループで洞窟の中に入っていきます!中に1歩入ると早速中国的なライトアップがお出迎え。内部はひんやりとしていて、天井から水がボタボタ落ちてきます。
いやぁ、なかなか幻想的な世界ですね。ここ桂林のカルスト地形が作り出した不思議な空間を堪能することができます。
顔真っ黒だっちゃ。1時間くらい中を歩いてたかな。最後にお決まりお土産屋さんを通過して、無事に外に出ました。初めて鍾乳洞に入った。とても楽しかったです。
- 象山公園&夜ごはん
まだご飯まで時間があったので、ちょこっと船に乗ってみることに。増水してたので、モーターボートでさくっと面白い形の岩を見に行きました。
川の水が茶色いですねぇ。ちょっと不安はありながらも乗り込むと、風が本当に気持ちい!これは絶対に明日川下りを決行しなければ…という気持ちになりました。
こちらが象鼻山。象が鼻を延ばして水を飲んでるように見えるからこの名前。まあるい洞窟が印象的。どうしてこんなきれいに穴が開いたんだろうねぇ。しかしこの船はちょっとぼったくりだったなぁ。15分くらいですぐ降ろされちゃった。値切ればよかったな。
そして夜ごはんは、特産のお魚料理を食す。水槽で魚を選びます。お店の人おすすめのナマズをチョイス。
その場でナマズを地面にたたきつけて気絶させると、こうして重さを量って値段を決めます。あわれナマズよ。後ろの赤いバケツに見える魚もとても面白かった。カモノハシみたいにくちばしがついてるお魚なの!でも食べるところが少ないから選ばず。
20分後のナマズちゃんの姿。合掌、ありがたくおいしく頂きましたよ!白身が多くて、かなり食べごたえがありました。
- 劉三姉
本当は、チャン・イーモウ監督のプロデュースする印象シリーズの舞台が漓江でも見られるというので楽しみに予約してきたのに、川の増水により公演中止…。ガビーン。ショック!!
でも運ちゃんの、桂林市内でも劉三姉の舞台みられるよ~、という言葉にのせられ、桂林市内のテーマパークにやってきました。
よくわかりませんが、お金のモチーフの前で記念撮影。ここは、少数民族の暮らしぶりを紹介する博物館のような感じになっています。
少数民族のパフォーマンス。これはヤオ族の女性かな。彼女たちは、18歳で成人したときに1度だけ髪の毛を切る以外、ずーっと伸ばし続けるそうです。ギネスにも認定されているほど、髪の毛の長い女性が多い民族。こうやって結い上げてます。
こちらがお話の主人公、劉三姉。勝手に三姉妹のお話かと思っていましたが、劉家の一人の女の子のお話。チョー簡単にまとめると、この劉三姉は美しくて歌がとっても上手な女性だったそうで、それを聞きつけた地主が妾にしようと言い寄ってきます。なら歌で勝負、と対決をはじめると、もちろん劉三姉が勝つばかり。地主はあの手この手の卑怯な手で劉三姉を歌えなくして最後に勝つものの、すると劉三姉は川に身投げ。その後、お魚に乗って天に上る、というお話。この舞台を見るのが目的でホールにいくと、中国らしい面白い光景に出会えました。
まず始まったのが、謎のオークション。え~、舞台じゃなかったんかい!!と突っ込みながら一応参加してみる。
さらに目を奪われたのがこの喧嘩の光景。2か所くらいで行われてました。ここはオレの席だ~、とか言い合って譲りません。びっくりなことに、舞台が始まっても最前列で立ったまま喧嘩。見えないよ~!!ちょっとうんざりするこのパターン。
完全の舞台の印象は若干薄いのですが、学芸会よりはレベルが高かったと思います。かわいい女の子たちが踊っていましたよ。そして、極めつけはホールを出たあとのこの衝撃の景色。
出た~!!ミッキーマウスもどき!!なぜこんな場所に!!!ちゃっかりお金をとって子供と記念撮影とかしていました。恐るべしテーマパーク。なんかいろんな意味で面白かったです。
- 西街(陽朔)
さて、桂林から南に70キロ、車で2時間弱かけて夜中に移動してきたのが、本来川下りの最終地点の街、陽朔。いかにも山水画、という街なみを楽しめる場所です。到着は既に11時くらいだったけど、夜までずっと栄えているということで、西街という繁華街へ繰り出してみた。
すごいお店の数&人の数!こうゆう活気はいかにも中国の南の方って感じがする。嬉しくなって、屋台でスルメイカを買ってみた。
そしてみんなでドイツビールを飲んで、1時近くにホテルに戻りました。書いてて気が付いたけど、かなり長い1日でした~。
- 陽朔観光
2日目、快晴!!朝さっそく電話すると、今日は漓江を竹舟で川下りできるって!やった~!!普通の団体の観光客は大きな観光船で川下りするんだけど、我はどうしても竹舟で川下りしたかったのだ。中国人の知り合いに紹介してもらった竹舟のオーナーに直接電話して予約。気のいいあんちゃんで、陽朔まで迎えに来て、最初に街中を案内してくれました。サイクリングする人も多いけど、暑かったし車でラクチンに観光。
こんな不思議な山、月亮山を見ることができました。眺める場所によって形が変わって見えるから、月みたいだね、ということでこんな名前になったそう。
こうゆう、なんてことのない田舎の風景が実は一番好きかも。山にかこまれて、時間がゆっくり流れている気がします。
- 漓江川下り
さぁ、最後にようやくメインの川下りです!車で連れられて行ったので位置関係にやや自信がないけど、興坪という街からまず川の流れにさからって上流にクルーズし、その後またUターンして引き返してきたような気がします。
出発前、川の前にて。まだかなり増水してて、水は茶色くにごっています。頭の花輪は地元のおばちゃんのお手製を4元(60円)で購入。
こちらが我々の乗船した竹舟です!!もっと本当に竹だけかと思いきや、ちゃんとモーターもついてます。少し安心しました。ではクルージングへレッツゴー!
なかなか写真だと伝わりきらないと思うけどね、本当に水墨画の中に入り込んだような絶景です。手前の山が濃くみえて、後ろはうっすらとかすんでいく。中国悠久の歴史を感じます。
すごいでしょ。目の前に見えるのは、空、山、川。風を感じながら大自然の偉大さを感じます。
ついにここまできました。という喜びの1枚。
こんな風情のある景色にも出会えました。ウシ。ちょっと威嚇されたが。。
最後はこちらの一枚。これは、中国の20元札の裏面の絵のモデルとなっている場所です。
この日の水の色だとわからんかったけど、川底の黄色い石が透けて、黄色の布を水にさらしているように見えるから、黄布倒影というそうです。
何千年も変わらぬこの自然の風景、きっと何年も前の人たちもこの川を下るときに同じ感動を覚えたんだろうなぁ。楽しくて、感慨深い川下りでした。