ねぎ子のブログ

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世界遺産リスト㉒ 蘇州古典庭園と太湖

上海から新幹線で30分、あっというまに世界遺産の庭園が待つ蘇州へと到着です。

日帰りで十分可能な距離ながら、今回は中国の琵琶湖、太湖もじっくり回るために週末1泊2日で出かけてきました。

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上海駅のプラットホーム。古い電車が止まってるけど、我がのったのは南京行きの新幹線。えぇ、あの日本の新幹線とうりふたつの綺麗な新幹線です。

昼前に蘇州駅に到着。タクシー乗り場で運ちゃんと交渉し、貸切で太湖まで行ってもらうことに。なんか交渉が面倒くさくて値切りきれなかったが、まぁいいかと思ってしまうあたりが、社会復帰(社会人)を実感するひとこま。

今回の旅のプランは以下の通り!
◆1日目
①太湖観光
②夜の運河沿い散策
◆2日目
③世界遺産の庭園見学

では早速1日目から振り返りましょう。

太湖観光
琵琶湖なんてサイズじゃありません。東西56キロ、南北67キロ、周囲は407キロだそう。ちなみに琵琶湖の周囲は235キロ。
中国の庭園には、よくちょっとスカスカした感じのにょろっとした石がおいてあるよね、あれって太湖の石なことが多くて、ここの名産品です。(太湖石という。)

太湖には蘇州方面に2つ、太湖に浮かぶ大きな島があるので、今回はそのうちのひとつ、西山に行きました。もうひとつの東山に比べると自然が多い感じがしたので。

西山にいくために太湖の上の橋を渡ったんだけどね、城ケ島を思い出しました。スケール違うけど、雰囲気そっくり。しかも海じゃなくて湖なんだけどね~。

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さてこちら、石公山という、西山の南西の端っこにある山です。山と言っても若干30数メートル。多くの文人がここから見る太湖の絶景をうたったとか。

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山の上の来鶴亭からの景色。現代人の我は、詩を読むのではなく、記念写真を撮りましたとさ。しかしあまりの暑さからか、太湖も一部ちょっと干上がって見えました。

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湖っていうか、本当に海みたいな景色です。夏休みに田舎に戻った子供みたいな気持ちになりました。

石公山を後にして、次にタクシーで訪れた観光スポットは、林屋洞。こちらは石灰岩でできた鍾乳洞です。入口には、現在鍾乳洞の中は20度との表示が!!救いなり~。

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入口です。西山は、全体的に観光客が少なかったです。鍾乳洞に行きつく前に、暑さのあまりアイスクリームを食べる。そして洞窟へ!

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中、チャイナ的なライトアップしてますね。桂林でみた洞窟に似ている。とても広くて、何でも6000㎡もありました。迷路みたいで、天井が低くなってる部分もあって、歩きまわるのとても楽しかった。なんたって涼しいしね~。

f:id:s_iidada:20130727165049j:plainさて、洞窟を出るとまだまだ暑いけどもう夕方。また1時間くらいかけて蘇州市内に戻ります。古く呉の時代から親しまれたこの太湖の地に来られて、うれしかったです。またね、太湖よ。

 

②夜の運河沿い散策

蘇州に戻り、まず行ったのが山塘街です。ここは、あの白居易が蘇州の長官だったときに築いた水路の街なのです!今は観光地化されてるけど、風情があっていい感じですよ。

f:id:s_iidada:20130727184057j:plain夜景がきれいな場所なんだけど、日が長くてまだ明るいです。ガイドブックに出てたお茶屋さんで一服して、暗く&涼しくなるのを待ちます。待ったらおなかがすいてきたので、この蘇州で考案されたという料理、松鼠桂魚を食べに、まさにこの料理の考案第一号というお店へ。残念ながらこの山塘街にある支店が改装閉店中だったので、歩いて20分くらいの別の支店まで移動。

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これがそのお魚料理。北京でも食べたけど、蘇州が発祥とは知りませんでした。とっても美味しかったです!

満腹になると夜もすっかり更けていた(ただし暑いけど)ので、また山塘街へ戻ります。

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わぁ、いいね。赤い提灯と手漕ぎ船は、絵の中の世界みたい。日常世界から抜け出した感覚です。残念ながら船は行列してたので諦めて、タクシーに乗ってホテルのエリアまで移動。ホテルの近くは平江路という、これまた水路沿いの昔ながらの風景の残る場所です。個人的には、こちらのほうがちょっと古臭くて(並んでるお店は新しいんだけどね、どことなく懐かしい気持ちになった。)いいなと思いました。こうして充実の1日目が終了。

 

③世界遺産の庭園見学
庭園めぐり~。蘇州が有名なのは、この庭園とシルクですかね。富豪たちが造った庭園のうち、9つが世界遺産に指定されています。今回はうち有名な2か所をめぐりました。

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まずはホテルから歩いて、一番有名な拙政園へ。拙い政治の園ってすごいネーミングよね。ここは、明の時代に建てられた、蘇州四大名園のうち最大の庭園。なんでも、高官を失脚した人が賄賂で作ったとかで、皮肉を込めて拙政園と呼ばれ始めたんだって。歴史があって面白い。今は季節的に蓮が綺麗にみられるのということで、朝から観光客がいっぱいです!入口は小さいんだけど、奥にお庭が広がります。北京スケールに比べたらやっぱり小さいけどね。

f:id:s_iidada:20130728101702j:plain蓮の葉って、水辺に浮かんでるものかと思ってたけど、茎がすごい成長して高さがあります!緑と楼閣と空、コントラストが美しい。紅楼夢の中で貴族の暮らしぶりを象徴する舞台としてでてくるらしい。

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庭園の敷地のうち、7割が池とお堀。水水しいお庭です。水を感じない暑さだけどね。

庭園の見どころは、楼閣のガラス窓。いろんな形の窓があって、見飽きません。例えばこちらは一部がステンドグラスになっているお洒落窓。

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覗きこむとまたお庭の景色も違って見えます。北京の建物のような、規則正しいものと違って、この南方の建物にはたくさんの遊び心を感じます。1時間ほどかけて庭園の中をぐるりと回りました。非常に満足。紅葉の時期にくるのもよさそうですね。

 

お次は歩いて街のシンボルと言われる塔のある北塔報恩寺へ。三国志の呉の孫権が母親のために建てたと言われるお寺。そうか、この辺は三国志でいうと呉があった場所なのねぇ。歴史ある場所だし是非みてみようと行ってみました。

f:id:s_iidada:20130728111254j:plainしかし…入場料ケチって中には入らなかった。入らなくても塔見えたし、塔登るのも暑そうだから、まぁいっかと思って。シンボルというからもっと大きいかと思ったけど、意外に近づかないと見えませんでした。

 

そしてお次は少し郊外の虎丘と呼ばれる丘へ。ここは、越との戦いに敗れた呉の闔閭の葬られた場所です。闔閭が葬られた3日後に、丘の上に白虎があらわれたから、この名前だそう。で、闔閭の息子があの臥薪嘗胆で有名な夫差というわけ。なんとも歴史のある場所ですねぇ。また呉と越の歴史を読み直したいと思う。

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さて、ここ虎丘には蘇州最古の塔が建ってます。北宋961年に創建されたもの。そして面白いのが、この塔の傾き。

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地盤沈下で、この塔は3.5度傾いてるんだって。 その名も“東洋の斜塔”。ピサに対抗してるんですかね。でも、ピサの斜塔風に写真をとってみました。

ここ虎丘も敷地が広いため、金に物言わせてカートで回りました。そして門を出ると、このへんはウェディングドレスがとても有名な場所だそうで、お店がたくさんありました。けっこう地方からみんな買いに来るんだと。いろんなデザインみて面白かったな。とらぬ狸の何とやら…か。

 

そして市内に戻り、2つ目の庭園へ!

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留園です。こちらも蘇州四大名園のひとつ。そしてなんとなんと、先ほどの拙政園と留園は、中国四大名園のひとつでもあるのです!頤和園、避暑山荘(承徳)、拙政園、留園のすべてをコンプリートしました!やったー!!

留園は比較的小さいな庭園で、やはり明の時代に建てられたもの。楼閣と楼閣を結ぶ廊下のデザインや、巨大な太湖石で有名です。

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こちらが中国三大太湖石と呼ばれる冠雲峰です。中国って〇大何とか、って作るのが好きなのね。四大名園をコンプリートしたと思いきや、また新たなターゲットが。三大太湖石の残りはどこにあるのだろう。

拙政園に比べると少し地味だけど、人も少なくてのんびりできました。

 

さぁて、旅の最後をかざるのは、蘇州名物蘇州ラーメンです。同得興という、蘇州ラーメンの有名店へ。

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あっさりとしたスープで日本人好みと思います。豚肉はとろとろで美味しかったなぁ。鶏肉は別のお皿で出てくるので、これをスープにしずめつつ食べます。しかし麺が大量に入ってて、食べる間にスープ吸って増えてくるので、全然食べきれませんでした。

ランチのあと、プラプラ商店街を歩いて蘇州駅に向かい、上海へ戻りました。蘇州駅から上海の自宅まで1時間かからんかったな。近い!

とても充実のミニトリップでした。またいこうっと。