世界遺産リスト⑩ 古都平遥古城をめぐる旅
週末を利用して、世界遺産へひとっとび。
平遥古城は、世界遺産リストを見て最初に目を付けた場所なのです!
城壁の中に残された明・清の時代そのままの街並み。タイムスリップできるなんて、感動的ではないか。
早朝、北京を出発して山西省は太原へ。ここが平遥への起点となります。
まずはせっかくなので太原の市内も観光しましょう。
こちらは太原のシンボル双塔寺。漢字の通り、2つの塔がドーンと立っています。
ふむ、飾り気のない塔だが、あまり高い建物のない中、存在感を放っています。
塔の上まで登りました~。筋肉痛。
この塔、何気に明時代の創設だそう。古い!
続けてやはり市内の崇善寺へ。こちらは、もともと白馬寺と呼ばれていた唐代のお寺だそう。あれ、洛陽にいったときも白馬寺みたなぁ。で、明代に今の名前になったそうです。
でも清代に消失したので、今は元のスケールの80分の1。この大悲殿だけが残ってます~。
ここで太原を出発し、平遥までの道のりの途中、2か所の見どころに立ち寄ります。
ランチはこちら。名物ハチの巣風の料理。麺ですよ~。
食べたら、晋祠へ入ります。何やら晋の時代にまつわる祠らしいのだが、今は10haを超える庭園が有名みたい。なかなか綺麗です~☆
やはり寒いからか、人が少ないね~。それがよかった。
そしてお次はまた移動して喬家大院へ。ここは、昔の金融資本家・喬一族のかつての大邸宅。なぜ観光地として有名かというと、当時の一族の生活を垣間見ることができるのはもちろん、チャン・イーモウの映画「紅夢」の舞台になったからです。
中国人の観光客が多いみたいですねぇ。とても広い敷地内の建物が、そのまま博物館のようになっています。
映画の中では、コン・リーがお金持ちの第四夫人としてここで暮らしていました。
この紅夢という映画はどろどろ愛憎劇系です。帰ってから見てみたが、字幕がなくてちょっと分かりにくい。
庭もあるよ。
平遥古城につくまで、既に色々観光して、期待は高まるばかり。
城壁の中に足を踏み入れたのは、もう夕刻薄暗くなったころでした。
城壁内は、街の保護のために基本的に車は走れなくて、歩きか電気カートです。わくわくしながらまずはホテルにチェックイン。ここのホテルは伝統建築がそのままホテルになった何ともおしゃれな造り。
ここから夜の街へ繰り出します~。
平遥はもとは5世紀のときから存在する古い街です。明代の城壁が今もほぼ完璧に残る中国唯一の街。そもそも、城壁というのは中国のいろんな街の周囲に建設されてるもの(西安も有名ですね)だけど、例えば北京の城壁は、都市の再開発のときに壊されてしまいました。ここ平遥は、県財政に予算がなくて、開発されず、結果として昔の街並みがそのまま残ったというわけ。災い転じて何とやら、ですな。
夜は道沿いに明かりも灯り、とても雰囲気がある街です。明の時代から変わらないなんて、ほんと面白いね!清の時代にはここを辮髪の人々が歩いていたわけですよ。
さて、平遥はどんな商業で栄えた街かというと、ずばり金融業です。票号という為替手形を扱っていた銀行業はここ平遥が中心だったのです。
こちらが中国最初の票号である、日昇昌なり。さすが、お金のモチーフがおいてありました。日本を含む海外に支店もあったそうですよ!
あやかりたいぞよ~。
さて、気温推定マイナス15度の街をウロウロ。寒いぞよ~。
はい、城内の中心である市楼へやってきました。ライトアップがきれいです☆
登るのは明日にお預け!寒さに耐えるためには食事である!
人がたくさん入ってた店にしました。手前のハムみたいのが平遥特産の、その名も平遥牛肉。ここのは油も少なくてとてもおいしかったよ!あと火鍋食べました。あったまったところで1日目終了~。
Zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz
2日目。このホテル、風情があってよいのですが、さすが伝統家屋。寒いぜ。
朝ご飯は部屋で食べます~。
伝統料理~。
やはり米を食べる文化はない地域。基本は麺、饅頭です。
2日目はのんびり市内観光+世界遺産の一部である郊外の2つのお寺にいきます!
朝のひんやりした空気と古い壁がいい雰囲気を出しています。
まずは清虚観へ。ここも唐代の創設、何もかもが古くて、実は1500年とかそんなに昔じゃないのかしら、という錯覚を覚えるほど。ここは元代のパスパ文字の碑が有名らしいんだが…これかしら?
しかしここの寺では危うくお金を巻き上げられるところでした。坊さんが勝手に手相みたいのをみてくれたと思ったら、高額請求。そんなお金ナイヨ~と言うと、「神の御前だぞ」と(たぶんそんな感じのこと)すごまれ、仕方ないからごまかして5元(=60円)をお布施箱にいれて退散しました。いやはや、ここも中国だった。
気を取り直して、昨日見上げた市楼にのぼりました!古くて、怖かったです。でもここから眺める街並みは、本当にタイムスリップ!これぞ、今回の旅の目的地でした!
他にもいくつか博物館に入りつつ、気になってた場所、古衛署へ。ここは平遥の政府所在地。明の時代の建設で、当時の知事が公務をこなしていた場所とのこと。公務の様子のひとつである、模擬裁判?みたいの見ました。
裁く方。
ところで、まだ城壁には登っていませんでしたね。南側の城壁にいってみました。実はこの南の城壁は数年前に倒壊した(恐ろし…)らしく、今は新しく建設されなおしています。まぁ、風情があるかは別として、新しい分安全よね。
登ります!
街並み。いいねぇ~。そういえば、書きそびれていたが、この街空気が恐ろしいほど悪いです。なんとなく霞がかっているのは汚染と思う。今観光オフシーズンなのもあって、色んなところで建物の修復してたのも、空気の悪い一因かな。
さて、ここで街の中で出会ったものを紹介。
切り絵のお店が多いです。このへんの特産みたいですな。
あとは、こちらのおじさんの石頭餅!これ、見た目によらず、とってもおいしかった!!熱した石の間に伸ばした何かの記事を入れて焼いてくれます。味選べるんだけど、我らは甘いのを作ってもらいました。
そんなこんなで、ランチに牛肉麺を食べて、古城とはおさらば。
本当に来られてうれしかった!古城の外から城壁に手をふってお別れ!バイバイ。
実は平遥古城と一緒に、世界遺産に指定されいてるお寺が郊外にあるのです。その存在がどれだけ知られているかは謎ながら、せっかくここまで来たのなら見なきゃ損!
●双林寺 (平遥古城西南)
ばっちり世界遺産マークですよ。ここは彩塑で有名なお寺。やはり1400年以上の歴史ありです。建物の中に綺麗な色彩の塑像がありました。この色が残ってるってすごいね。
●鎮国寺 (平遥古城東北)
こちらも約1000年の歴史を持つお寺。中国でも最もふる~い木造建築のひとつ。釘を使わない組み立て式の構造は確かに美しいです。
でも古すぎて梁とかすごい歪んでて、大丈夫か少し心配になりますよ。
ここは我ら以外に誰もいませんでした。冬だから、という理由だけか??
お寺の周りはこんな感じ。何もありません。茶色い畑が広がります。
でも、こうゆう景色こそ、中国のひとつの代表的な景色だよね、きっと。
こうして、楽しい2日間のタイムスリップが終了しました。
毎回の旅行、同じ感想になりがちですが、今回も非常に満足です!
実は最後につけくわえると、この平遥古城というのは、我が小学生のときに好きだったドラえもんの仲間、ドラえもんズの一人である、王ドラが生活していた中国の街並みそのものなのです!マニアックすぎますね。でもあの15年くらい前の自分の中での「チャイナ」のイメージは、間違いなくこの平遥古城とぴったり重なるのです。
密かにそんな感動もあった師走の旅行でした☆