世界遺産リスト⑭ 承徳避暑山荘&外八廟
北京郊外の避暑地、承徳。
清朝の皇帝が避暑地として1703年に造営開始、乾隆帝の時代にできた夏の離宮で、1994年に世界遺産となりました。皇帝は毎年5月~9月まではここ承徳で政務を執っていたそうな。けっこう長いね。
北京から列車でコトコト4.5時間で到着。
承徳の街は小さくて、見どころは2つ、①避暑山荘、②外八廟のみ。避暑山荘の中は小規模の中国が形成されていて、外八廟はまるでチベットみたいな感じ。少し地味だったけど、北京と違う雰囲気を味わえて面白かったです。
◆避暑山荘
じゃ~ん。入口は立派です。でも…今はまだ3月。避暑の季節ではないため、山荘内はお決まりの「修復中」の場所が多すぎ!!ガーン。
敷地内は超広いんだけど、まず南側には皇帝がいた宮殿エリアがあります。ミニ故宮といった感じ。でも皇帝がいた場所と考えると、ちょっと小規模かな。
ここが重要な儀式が行われたという場所。乾隆帝なんかがここに座っていたんでしょうね。残念ながら修復中すぎて、宮殿エリアはあっというまに見終わりました。北側に抜けると、広大な湖や三景地区が広がります。
まだ湖は一部が凍っているし、肌寒いです。この庭のエリアが総面積の約8割。皇帝が妃と遊んだり、宴会をしたりしていたみたい。
こちらは草原エリア。モンゴルのゲルがあります。ここは、繁忙期はホテルとして開放しているようでした。奥に見えているのは永佑寺舎利塔です。
ちょっと天気が悪いのが残念でしたが、ゆるゆると中を見て回って半日終了~。
◆外八廟
外八廟という建物があるのではなくて、避暑山荘の周りに12この寺群があるのです。清朝はチベット仏教を信仰していたので、避暑山荘の周りにミニチュアの新疆やチベットの寺を作ったのだね。大きい見どころは5つほど。そのうち3つを回りました!
・普陀宗乗之廟
チベットのラサにあるポタラ宮をマネして作ったと言われるお寺。全体像が写真にはおさまりきらなかったけど、山肌にドドーンとそびえる姿は圧巻です。昨今チベットに行くのはハードルがあがっているので、ここでちょっと雰囲気を味わうというのもアリかと。
これが入口から登ってきた山のテッペンにある廟です。ここからさらに建物の上にあがります~。階段を上るところ。この日は晴天で本当に気持ちよかった!
階段をぬけると、そこは、ラサであった。
上からみた景色なり。目の前の山に長城っぽいものが見えるけれど、これは避暑山荘の城壁です。つまり寺から南側を見下ろしている状態。
壁に埋め込まれた仏様たち。普通のお寺と違って面白い!
さらにこの赤い壁の建物の中に入ります~。
壁の上の展望台チックな場所。空気がおいしく気持ちがよい。寺以外、これといって何があるというわけでもないが、なかなか神聖な気持ちになれます。本当は上から見下ろすより、下からみあげた風景のほうが面白いんだけど、写真がなくて残念。
・須弥福寿之廟
普陀宗乗之廟の横にあるのがこちら。シガツェのタシルンポ寺をモデルにしている、と書いてあるが、どこの何なのかサッパリです。戻って調べたら、シガツェっていうのはチベット自治区の一部のようです。残念ながらここは修復中であまりよい景色は見られませぬでした~。
・普寧寺
最後にきたのが、前のふたつの廟から少し離れた北側にあるお寺。違う地区なので、チケットも別に買います。
ここは、唯一モンゴル族のチベット仏教僧(ラマ)がいるお寺だそうです。中の雰囲気もけっこうよかったな。
写真禁止でとれなかったけど、お寺の中に巨大な千手観音像がおいてありました。隣にいたガイドの説明を盗み聞きしたけど、高さが23メートルくらい、5種類くらいの木を使って造られたっていうのと、手に目がたくさん(たぶん42,3個)ついているのが分かりました。これは見ごたえあります。
天気がよくて、何よりでした!
我はあまりチベット仏教の知識がないので今回はやや浅い旅行記になってしまったが、廟はどれもすばらしくて、本場のチベットにも行きたいなぁと思うような景色でした。承徳は北京からはバスで4時間くらい、列車で4.5時間。北京はそろそろ行きつくしたかな、という人や仏教に興味のある人は、夏(!)にいくと涼しくてよいと思います。