ねぎ子のブログ

congzi's blog

近代史遺跡~円明園~

今日訪れたのは、大学からほど近い場所にある円明園そう、あの世界史の授業で必ず勉強する、宣教師カスティリオーネが設計に携わったという清時代の庭園です。

f:id:s_iidada:20121116105655j:plain

康熙帝にはじまり、その後5世代に渡って建設が続けられた、当時世界最大の庭園でした。清朝の権力の象徴でもあったんでしょう。

1860年にアロー戦争で英仏軍に破壊され、宝物も略奪※されてしまったのも有名。四庫全書も消失してしまったのは本当に無念ですね。

※中国人と話をすると、みな日本軍が略奪したという。その後の義和団事件と一緒になっているような。。でも感情により歴史が形成されるのも、ここでの特徴かね。

 

現在も、修復等されていないので、そのまま壊された建設物を見ることができます。でもピカピカに再建されたものよりも、ずっと歴史的な趣、価値があるのでは、と思う。

f:id:s_iidada:20121116114854j:plainチケット。

今日はあまり時間もなかったので、西洋楼遺址区へ。本当は円明園は広大で中に3つの園があるのだが、今遺跡が残ってるのはここだけ。

 

f:id:s_iidada:20121116110040j:plain

途中で見えたのは、線法画 跡。どうやら、乾隆帝が香妃を喜ばせようと作ったエリアみたいですね。香妃というのは、シルクロードから連れてこられた美しい王女様。乾隆帝が熱をあげたものの最後は自殺してしまう可愛そうな方です。

 

さぁ、一番有名な、大水法=噴水 が見えてきました。

f:id:s_iidada:20121116110440j:plain

自由にみられるかと思ってたけど、柵がありました。

f:id:s_iidada:20121116110659j:plain

廃墟である。。。昔は綺麗だったのでしょう。

バロック式と中国様式の融和。西欧と東欧の歴史&文化の交錯地点ですな。

f:id:s_iidada:20121116111403j:plain f:id:s_iidada:20121116110957j:plain

こんな頑丈そうな石造りの建物が壊れるとは、当時の破壊のすさまじさがうかがえます。本当に惜しい。

 

そして、こちらが有名な十二支像のレプリカ。

f:id:s_iidada:20121116111228j:plain

本物は略奪後、世界各国に散らばってしまい、まだ5つしか戻ってきていない。あの有名なイブサンローラン(の夫の実業家)が2つ所有しているらしいが、イロイロこじれてるよう(Wikiに出てた)。牛年としては、牛に注目。

f:id:s_iidada:20121116111147j:plain悲しい歴史を背負ってる。(ニセモノだけど)

 

あとは、こちらも有名な海晏堂という西洋建築跡。もともと上の十二支もこの建物の前にあったようだ。と言っても、今は跡形もない…。

f:id:s_iidada:20121116111742j:plain

近くの中国人が不思議なアングルで撮ってくれました。

 

さて、これらの遺跡の奥に進むと、裏手に黄花陣が登場します。

f:id:s_iidada:20121116112329j:plain

どんな場所かと言いますと、迷路です。皇帝が迷路で「あははは~」と妃たちと追いかけっことかしてた場所だそう。漫画みたいな話ですね。

中央の亭を目指して迷路に挑戦!

f:id:s_iidada:20121116112402j:plain

え、これ意外と複雑なのでは…まぁ最悪壁を乗り越えていこう、と一人で少々心細く思ってましたが、そんな心配無用。ちょっと違う道に入ろうとすると、近くの中国人が大声で「そっちじゃない、こっちこっち」と教えてくれる。

f:id:s_iidada:20121116112551j:plain

途中からこの黄色いパーカーの親切なおじさんについていきました。そして無事到着~。

f:id:s_iidada:20121116112821j:plain

↑中央の亭からの眺め。最近学校でみた映画、「宋家の三姉妹」の中で、小さな三姉妹がここで散歩するシーンが出てきてたので、自分も来られてとても嬉しかったです。

安全策をとり、帰りも同じ道を戻りました。

f:id:s_iidada:20121116112741j:plain

 

1時間半くらいしかいなかったけど、見るべきところは押さえられた感じです。

荘厳な建物の残る頤和園に比べるとかなり地味ですが、見る価値はあるな、と思いました。壊れてしまったのは本当に惜しいけれど、この今の姿をとどめることにも意義があるのではないかと。

そして世界史の便覧で眺めていた場所を少しずつ実際に見て回ることができるのは本当に嬉しいことである。